ゆっくりと、楽しみながら、妥当な「自由で幸福な社会」へのヴィジョンを探るブログ

公共プールは総合マンモス施設化の夢を見るか

2013.08.14
武雄市図書館を持ち上げる際によく使われるプロパガンダ言説に 
「公共図書館は敷居が高くて限られた住民にしか利用されていない」
「静かにしなければならない、飲食を控えなければならない、という堅苦しいルール/マナーのために利用したくても利用できない住民がいる」
「公共図書館を現代の『住民』の実態とニーズに見合ったカジュアルでリラクシングでポップな場所にしたら新たな利用者層が生まれた。これぞ新しい公共!」
のような無責任な、それこそ中高生並に無責任で物知らずな能天気言説が多く見られる。
これはそれなりの擁護論になっているようで実はまったく論拠がない。
本を読むことが嫌いで嫌いでしょうがないおこちゃまたちがそのまんま成人となり、当たるを幸いとばかりにわがままベイビーっぷりを発揮している例である。
「敷居が高い」だって!?
本を読むことが好きで、しかもそれを必要としている人々は公共図書館に「敷居の高さ」なんて元より微塵も感じてはいないし、そもそもその「敷居が高い」は誤用である。


たとえば公共プール(市民、区民、町民、もしあれば村民プール)とその利用者層というのを考えてみればいい。
公共プールは公共図書館と並んで、住民ニーズに元々高いリーズナビリティがあり、公共図書館・公共プールのどちらにも住民として関心がないという人はさすがに少なくなるはずなので、なんなら公共図書館をどうでもいいと思ってる人にさえ、問題点を伝えるのに役立つだろう。


私はこれまでの生涯で東京都内の4つの区民プールをコンスタントな利用者として詳しく知ってきたが、これらを ・夏だけでなく通年 ・水泳もしくはエクササイズのため 利用する人は、多くても住民のせいぜい1割から2割ってとこだろう。
そこで
「たった1割から2割の限られた住民の利得のためにプールみたいなカネのかかる施設に税金(住民税)を投入すべきでない!」
「公共プールにありがちな堅苦しいルール/マナーを廃して、プールサイドで走ってもいい、プールサイドにデッキチェアを置いてオイルを塗っての日灼けを楽しんでいい、子供やその他が水遊びはしゃぎを自由に制限なく楽しんでいい、プールサイドで自由に飲食を楽しんでいい、夜間にはプールサイドでアルコール飲料を楽しんでいい、とすべきだ。そうすれば住民の3割から6割、7割8割までもが利用し始めるはずだ」
「さらには飲食やアルコール飲料を楽しみたい利用者のためにプールサイドにカフェ/バーを併設すべきだ。そのためにはそういうことにくわしい首長その他の目利きによって選ばれた、もっともオシャレ(=文化的)な業者を優先的に採用すべきだ」
「さらにはプールという場の特性を最大限に活かし、学生・主婦・高齢者・スポーツ愛好者に限らず、多くの『若い男女』の恋愛上の出逢いの場としての機能性をも追求すべきだ」
という批判が出たとする。これらの批判は批判たり得るだろうか?


そう、もちろん批判たり得ない。あたりまえ中のあたりまえだ。
どんなにわがままベイビーなままのコドモオトナであったとしても、「公共プールって元々そんな風に使われるもんではないだろ!」「そんなことがしたければ民間の相応の営利施設でやるだろ!」と、「公共」を考える「公民」として、自分の損得勘定を脇に置いて、正しくその批判のおかしさを指摘できることだろう。


ところが武雄市図書館では、上記のようなトンデモ公共プールのような施策が進められているにもかかわらず、「これぞ新しい公共!」「これぞ官民恊働!」「これぞ新しい市民価値の追求!」と、トンデモベイビーなIT業者が、地方自治体首長・議会議員が、レジャー/消費行動にしか興味のない精神年齢10才未満の全国の一般市民が、我も我もと賞賛と羨望の能天気な声をあげているのである。
何という無責任、何という痴呆化、何という情報弱者っぷり、何というカネの亡者のウソ、何という他人事、だろうか!


私もそうだが、他自治体に住む多くの武雄市行政批判派の人々にとって、武雄市(佐賀県 人口5万)や多賀城市(宮城県 人口6万)の住民がそろって愚者の楽園に住みたがっているというのなら、はっきり言って嘲笑しながら眺めていればいいことなのだ。
だが、われわれ武雄市行政批判派はそうしないし、そうできない。
武雄市・多賀城市ともに、住民/有権者/非有権者が5000人でも500人でもその悪政に反対しているのであれば、われわれはそれを応援せずにはいられない。
そしてまた、そんな行政の責務放棄・特定企業への利益誘導・住民の権利の侵害が大手を振ってまかり通り全国の市区町村に拡がるのなら、全国民が — 全都道府県民・全市区町村民が、批判と抵抗の声をあげるのがあたりまえの話なのだ。


びっくりするくらい大勢の「他人事な他人」が「何がそんなに問題なの?いい図書館ができることはいい事じゃない?」と言い張る現状を見るにつけ、私は怒りのあまり冷静なエントリーを物すことに困難を感じる。
今回は少しだけ論の焦点を絞ったおかげで、その問題っぷりをストレートに伝えられた気がしていい気分だ。


もちろん、こんなもんでは済まされへんねんで!









にほんブログ村 政治ブログ 政治評論へ     
にほんブログ村   社会・経済(全般) ブログランキング


プライバシー・ポリシー

コメント
コメントの投稿


プロフィール

Author:demosthenesZ
第一にリバタリアン。
次に、順不同でリベラリスト、コミュニタリアン。
ゆっくりと、楽しみながら、妥当な「自由で幸福な社会」へのヴィジョンを探っていきます。
Twitterでも@demosthenesZ

スポンサード リンク






全記事表示リンク
検索フォーム
最新コメント